たぬきのぱんやさんにっき

おいしいこと、季節のこと、思うこと

厚木市の自宅と東京でパン教室をしています。

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自己肯定感を育むこどもパン教室がライフワークです。ぱんだぬきの日常のあれこれ、料理、ピアノ、絵本の読み聞かせなどについてを飾らず書き綴りたいと思っています。

あこがれの「大家さん」

こんにちは、ぱんだぬきです。

 

春の嵐の中、いつもの美容院へ行きました。

いつも女性誌を差し出してくれるのですが

今日は「これ読んだことありますか?」と

カラテカの矢部さんの「大家さんと僕」

を出してくれました。

 

話題になった本なので、

ご存知の方も多いのではと思いますので

内容は省きますが、

二世帯住宅の一階に住む大家さんと

二階を間借りする矢部さんのやりとり。

ほのぼのと温かい交流が描かれています。

 

ちょっとしか読めなかったのですが

ふたりの「大家さん」を思い出しました。

 

最初の「おおやさん」は

学生だったぱんだぬきが九州へ旅行した時、

泊めてもらった祖母のお姉さんにあたるおばあさん。

当時たぶん80代で大きな家に一人暮らしで

二階を学生さんに間貸ししている、「大家さん」でした。

 

数日泊めてもらい、

一緒に外食したり、買い物に行ったり。

泊めてもらったお礼に私がハンバーグを作ったり。

昼間あちこち観光に出かけ戻ってきて

布団を並べて寝ました。

「遅く帰ってきたり、早く出たりすみません」

と言ったら

「いえね、誰かが帰ってくると思うのが

とっても楽しいのよ」

と言ってくれました。

そのとき、「これは生き形見に上げようね」と

塗りの角盆を三枚、持たせてくれました。

とても品の良い春蘭の絵付けがしてあり

輪島塗だろうな、と思っています。

ずっしりしっとりと手触りが良く

今も使っています。

 

もう一人の大家さんは

ぱんだぬきが結婚して横浜に住んだときの

「大家さん」です。

それこそ、矢部さんの大家さんのお家のように

二世帯住宅の二階を借りて住んだのでした。

 

たぶん、大家さんのお子さんが住んでいたのでしょう。

南側に大きく開口があり、広いベランの日当たりもよく、

狭いけれどもとても使い勝手よい家でした。

 

この「大家さん」はちゃきちゃきと威勢の良い人でした。

最初の頃は新婚家庭を気にして、

おかずをくれたり、健康食品をくれたりしていました。

家賃は矢部さん同様手渡しでした。

 

ぱんだぬきはその家で長男を授かり、

会社を辞めて主婦業を始めたのです。

数日前に書いた、横浜の桜並木は

その家から歩いて五分ほどのところから始まっていました。

 

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大家さんだけでなく向かいのパン屋さんのおばさんも

酒屋さんの二階を間借りしているママ友も

角の八百屋さんも、お弁当屋さんのおばあさんも

手芸やさんのおじさんも、パン屋さんのご夫婦も

みんないい人たちでした。

 

アパートでなかったことで新参者でも

駅前の商店街や住宅街の古くからの地域のつながりに

すんなり溶け込めたんだと思います。

 

その部屋では手狭になって、

厚木に越してきてしまいましたが

今も懐かしく思い出します。

 

ぱんだぬきが年を取って、

パンの先生が出来なくなってくる頃には

「大家さん」として暮らせたらいいな

と漠然と思います。