たぬきのぱんやさんにっき

おいしいこと、季節のこと、思うこと

厚木市の自宅と東京でパン教室をしています。

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自己肯定感を育むこどもパン教室がライフワークです。ぱんだぬきの日常のあれこれ、料理、ピアノ、絵本の読み聞かせなどについてを飾らず書き綴りたいと思っています。

教育のあるべき姿

 

土曜日の夜にEテレで

盲学校の授業の様子の番組を放送していました。

途中からでしたが、とても心惹かれました。

 

 NHK ETV特集「心が躍る生物教室」

(再放送は水曜日の深夜、7月30日未明0:00~

 

 

ピアニストの辻井伸行さんの母校でもある筑波大学附属視覚支援学校です。

 

中学一年生の生物の授業を追っています。

全盲の中学一年クラス、6人くらい。

 

手で触って観察して、感じたこと分かったことを

自分の言葉にして伝える。

友達の発言にヒントを得て、また触り、

自分なりの発見をして言葉にする。

 

触れることで得られる情報は

健常者が目で見て得る情報とは全く違う。

その情報を共有するために

皆、言葉を選んで、丁寧に説明する。

コミュニケーションの基本がそこにある。

 

集中して触ることで得る情報と、

友達の声に耳を傾けて得た情報とをもとに

どんどん思考が深まっていくのが素晴らしい。

 

先生の声掛けがまたよいのです。

子どもたちの気づきを褒め、

気づきを言葉にするのを待ち、

皆で耳を傾け、理解を促す。

 

子どもたちは丁寧にじっくり対象と向き合うし、

そこから広く深く思考をめぐらしていく。

対象には愛情と尊敬をもっていることも

画面から伝わってくる。

 

その番組の後半で、

上野動物園での校外学習の様子があった。

全盲クラスの子、弱視クラスの子たちが 

チームを組んで初めて触る動物の骨から

元の動物が何であるかを考察する。

 

弱視の子たちは触るのは苦手だから・・・」

と先生が言った。

この言葉にハッとしました。

弱視の子は見えるので先入観が「育って」いる。

全盲の子は無垢の心で対象と向き合う。

 

 

どちらがいい、というのではなくて

それぞれが持っていることがその人のすべてで

どの子も、持てる能力最大限に生かして育っているんだ、

と思いました。

 

それは健常の子どもたちでも一緒で

得意不得意とか個性という言葉でひとくくりにしがちだけど

実はどの子も、自分で使える能力は最大限使っているんです。

 

教育者は子どもたちが能力の限界を決めないで

自由に使いこなせるようにしていくのが仕事のはず、

そういう、教育のあるべき姿を番組に見たよな気がしました。

「普通の事を普通にできる人間にする」のは教育ではなく、

いわば、訓練だな、と思いました。

多くの人たちと生活していくうえで訓練もとても大事です。

 

背筋の伸びる番組でした。

 

ああ、

ぱんだぬきのつたない言葉では番組の魅力は伝えきれない・・・・

 

水曜日の深夜に再放送があるので、

「心が躍る生物教室」Eテレ で29日水曜の24時から25時

ご興味のある方にはご覧いただければと思いました。

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